インド・南アジアのニュースから思うこと(その他雑記も含む)

インド在住の筆者がをインド中心に南アジアのニュースから思うことを綴ります

ネパールの葛藤~インドと中国のはざまで

きょうは

数日前にニュースになっていましたネパールに関する記事です↓

www.aljazeera.com

 

写真は引きのある混乱具合が伝わってきますが、

いったい何の騒ぎなのか?

 

私自身あまり知識が無く、勉強する必要がありました…。

 

今回の騒動は、

ネパールが2017年にアメリカと合意した契約を

国内で認めるか、認めないか、意見が分かれている、

認めない派の抗議活動を、警察が催涙ガスなどで抑えた、

というものです。

 

そもそも、その契約って何?ってところから

知らない人は知らないので、わからないですよね。

 

詳しくは、ダイヤモンドオンラインの記事より

diamond.jp

 

記事には、

MCC(ミレニアム・チャレンジ・コーポレーション)というのが出てきます↓

実は2017年5月にネパールと中国が「一帯一路」の覚書に署名(当時の首相は統一共産党のプラチャンダ氏)したわずか4カ月後の9月、ネパールと米国はMCC(ミレニアム・チャレンジ・コーポレーション)の5億ドルの無償資金協力の協定書にも署名(当時の首相はネパール会議派のデウバ氏)した。

 MCCとは、経済成長を達成するポテンシャルの高い国、すなわち公正な統治、自由経済、人的資本投資を促進している国を選択し支援を行う機関であり、経済成長を通じた貧困削減を目的とするMCA(ミレニアム・チャレンジ・アカウント、詳細はJICAより)の実施機関として設立された。

 

アメリカがネパールに対して、

道路整備や電力供給のための資金として5億ドルを出すというものなんですが、

背景にはネパールの地政学的重要性があります。

 

ネパールと言えば、

最も近い大国と言えばやはりインド。

インド人とネパール人は、互いにビザなしで行き来できます。

 

ただ、国同士ががっちり仲良いかというとそこは難しいようです。

2015年にネパールで新憲法公布の際、

国境地帯に住むインド系の人々の議席数確保を要望した

インドの要望を

ネパール側が聞かずに公布を行ってしまった出来事がありました。

 

怒ったインドは、

ネパールとつながる大動脈の道路を封鎖。

物流や経済の流れが止まり、ネパール側は大混乱に陥ってしまったんですね。

 

そうしたなか、もうひとつの隣の大国、中国の影響が増していきます。

ネパール側も「一帯一路」構想に参加の意を示し、

2017年の選挙では親中派の政権が誕生。

 

それを見ていた?アメリカも参戦。

上記のMCCでの5億ドルの援助をするとなってきました。

(インド側は、アメリカに対してインドが進言して実現したと言っているそう)

 

アメリカとしては、

アジアの中で中国の影響力が増大するのに

くさびを打ちたいということなのでしょうか。

 

ヒマラヤの素晴らしい自然とのどかな人々が暮らすネパールですが、

インド・中国・アメリカの大国が注目する一面もあるんですよね。

 

南アジアは、本当に面白いなと思います。

 

ではでは、カルミレンゲ!