インド・南アジアのニュースから思うこと(その他雑記も含む)

インド在住の筆者がをインド中心に南アジアのニュースから思うことを綴ります

大統領は交代したけれど…混迷のスリランカ

経済危機が続くインド洋の島国スリランカ。

先週には、大統領が国外へ脱出、政治的にも混乱を極めたのち、

7月20日、

議会での投票によって新大統領が決まり、一つの区切りとなりました。

しかし、ここからすぐに落ち着いていくとも思えず、先行きは不透明です。

 

foreignpolicy.com

 

 

日本でも割と大きく取り上げられていたので、

聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

 

でも元々興味があったり、行ったことがあったりしないと、

何がどうなってんの?と思う人もいるかもしれませんね。

 

そう言う人は、こちらで大枠は掴めると思います↓

www3.nhk.or.jp

中国による債務の罠

とキャッチーに語られることもありますが、

そもそもこの国の財政は昔から危うい状態だったんですね。

 

かつてはシンハラ人とタミル人の内戦が勃発、

その2009年に内戦が終結し、

観光立国として日本でもメジャーになっていきました。

 

2019年4月に同時多発テロが発生。

 

その年11月の大統領選挙では、

2009年に内戦を終結させたマヒンダ・ラジャパクサ大統領と

国防次官だった弟のゴタバヤ氏への期待が高まり、

ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領(弟)

マヒンダ・ラジャパクサ首相の(兄)

が、中枢に座るラジャパクサ王朝ともいうべき体制に。

 

その後すぐにコロナ禍に見舞われ、

頼りの観光収入がほぼゼロという厳しい状態に陥りました。

 

さらに大統領は、無農薬の国を目指すと言い出し、

農薬の輸入を禁止、農家の収量が激減して半年後にはその法令を撤回したり、

後先を考えず減税で人気取りに走ったりと、

とにかくトンチンカンな政策で、さらに財政は悪化、

2021年末の時点で507億ドル(日本円でおよそ7兆円)の対外債務の残高に。

 

こうした中で、

市民によるデモ活動は3月から継続的に続けられ、

政権交代というところまで来たわけですが、

燃料や医薬品の不足など、すぐに解消するわけもなく、

市民生活は依然として厳しい状況が続くと思われます。

 

日本でもそうですが、

こうした状況で最も影響を受けるのは、いわゆる低所得者層だったり、

マイノリティのコミュニティだったりします。

 

私は、2018年に一人旅でスリランカを訪れましたが、

本当に人々が温かく、自然豊かで、食べ物もおいしく、

なんて素敵な国なんだろうと感じました。

 

インドに来てからも、コロナ前には何度も訪れ、

海を見ては、やっぱりいいなぁと思う、大好きな国の一つです。

 

インドのお隣というだけでなく、

日本とも繋がりは深い国、

これからも注目してその復活を期待したいと思います。

 

ではでは、カルミレンゲ!!

 

(2019年)最大都市コロンボ ゴールフェイスと呼ばれる目貫通り