インド・南アジアのニュースから思うこと(その他雑記も含む)

インド在住の筆者がをインド中心に南アジアのニュースから思うことを綴ります

明日開幕の北京五輪〜インドの外交的ボイコットは

今日は夕方になって報じられたこのニュース。

www.hindustantimes.com

 

いよいよ明日開会式を控えた北京オリンピック。

始まる前から、アメリカやイギリス、オーストラリアなどが

政府代表団を送らない、

いわゆる「外交的ボイコット=diplomatic boycott」をすると表明し、

なにやら物議を醸し出していました。

 

(♯東京も、コロナ禍の開催で

 その開催の是非はどうだったのか、今も問われていると思いますが)

 

そうした中、

インド政府は、開会式前日の今日になって

上記の報道の通り「外交的ボイコット」で

在中国のインド大使が、開会式か閉会式を欠席すると発表しました。

 

その理由が他国とは異なるのが興味深いです。

 

アメリカなどが表明しているのは、

いわゆるウイグル新疆自治区での人権侵害問題

(ウイグルの人たちに対する拷問などが行われているとされる件)に

抗議の意志を示すためです。

 

一方で、インドが今日発表した理由は、

2020年インドのカシミール地方ラダックにある

中国との係争地で45年ぶりに双方の軍による死者が出た衝突があった際、

そこにいた中国兵士が、オリンピック聖火リレーに参加したから、

というもの。

 

歴史的な両国の衝突に参加した兵士を讃えるような扱いは、

インドを侮辱するものだと。

 

インドは歴史的にも全方位外交の国として知られ、

アメリカやロシアなどの大国と

べったりではなく、政治、経済、軍事などそれぞれの面で、

協力するところはしつつ、完全に依存するようなことはない、

対日本に対しても、同様な姿勢が見え隠れしています。

 

今回のオリンピックも、

これまで特に不参加などの意思表示はしてきませんでしたが、

このタイミングでの発表。

 

インドは中国と国境を接していることもあり、

非常にシリアスな関係性であることが改めて浮き彫りになった形ですね。

 

東京オリンピックとはまた異なる形で、

何かと政治的な話題の種になっている今回の北京オリンピック。

インドからの参加選手も1人?のスキー選手のみだというし、

インド国内ではほとんど報じられないのでしょうか。

 

ではでは、カルミレンゲ!