インド・南アジアのニュースから思うこと(その他雑記も含む)

インド在住の筆者がをインド中心に南アジアのニュースから思うことを綴ります

ことし初の宇宙ロケット発射成功から

きょうは、こちらのニュースです。

 

www.thehindu.com

インド宇宙研究機関(=ISRO)が、きょう、

ことし初めての人工衛星のうちあげに成功したと発表しました。

知っている人は知っていると思いますが、

インドも宇宙開発がんばっている国なんですよね。

 

宇宙開発と言えば、

1950年代~60年代にかけて

当時のソ連とアメリカが熾烈な競争を行っていました。

 

1957年10月 ソ連が世界初の人工衛星を地球周回軌道に送り込むことに成功

1958年1月 アメリカが初の人工衛星エクスプローラー1号を打ち上げ

1961年4月 ソ連のユーリ・ガガーリンが人類初の地球の周回軌道へ

1969年7月 アメリカのアポロ11号が人類初の月面着陸

 

かなりおおざっぱですが、

ソ連がアメリカを先行して宇宙開発を進めるのに対し、

アメリカのアポロ11号の月面着陸で、一気にイメージを逆転した、

という印象でしょうか。

 

日本の教育のせいかもしれませんが、

やっぱり、アームストロングさんの映像とか、

That’s one small step for a man, one giant leap for mankind.

これは一人の人間には小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ

という名言は、

リアルタイムで知らない私でも印象に残っていますものね。

 

インドはどうした、ということですが、

インドの宇宙開発は、

この米ソが競っている頃の1960年代からスタートしています。

1961年に政府は原子力省の下に宇宙開発の部門を設け、

1969年には現在の「ISRO」が発足しています。

 

その後、ロケットと人工衛星それぞれの開発にとりくみ、

フランスやロシアの力も借り、

1975年にインド初の衛星をソ連のロケットで打ち上げ

1979年に最初の国産ロケットで衛星の打ち上げ

というように、

自国でロケットも人工衛星も作れるようになっていきます。

 

インドの宇宙開発のなかでは月や火星などの太陽系探査が進められています。

2008年 インド初の月探査機「チャンドラヤーン1号」が打ち上げ成功

2013年 火星探査計画「マーズ・オービター・ミッション」で衛星打ち上げ

2014年 火星探査機「マンガルヤーン」が火星周回軌道に到達

(※アジアの国では初の火星到達を達成!!)

 

近年では、

2019年7月 月探査機「チャンドラヤーン2号」打ち上げ成功

同  9月 月の南極へ着陸を試みるも失敗

 

というのが話題になっていました。

このときは、月のなかでも「南極」とよばれる氷に覆われて

地形も複雑な場所への着陸を目指していたとのこと。

 

なぜそんな難所を目指したかといえば、

どこの国も到達したことがなく、

もし、月にある氷を得ることができれば、

将来的に人間の生活や、ロケットの燃料になるなど、

利用価値が非常に高いからだというのです。

 

結局失敗しましたが、

インドでは、ことしその後継の「チャンドラヤーン3号」の

打ち上げが行われると言われています。

 

インドにとっては、前回のリベンジともなる大事なミッションの前に、

まずは幸先のいい宇宙へのスタートを切れた、

というところでしょうか。

 

近年の宇宙開発では、

国単位では中国がものすごい勢いで進んでいて、

宇宙の覇権争い激化、などとちまたで言われたりしていますよね。

 

インドとしても、平場では中国とガチンコで、

宇宙でも中国や欧米に対しての存在感を改めて示して欲しいですね。

 

しかし、面白いのは、

インドの宇宙開発予算は、

アメリカや日本にも比べてまだまだ少ないんだそうです。

 

それでも、インド人の優秀な頭脳と、

あるもので何とかする精神(ジュガールのような)で、

スピード感を持って進んでいると思います。

 

優秀な技術者は、たくさんいると思いますし、

関連産業ビジネスも盛り上がっていきそうな気がしますよね。

 

ことしのインドの宇宙への一歩が楽しみです。

ではでは、カルミレンゲ!