インド・南アジアのニュースから思うこと(その他雑記も含む)

インド在住の筆者がをインド中心に南アジアのニュースから思うことを綴ります

黒いヒジャブとサフラン色のスカーフ

今日も暖かい1日。

日中は最高25℃にもなり、春はすぐそこです。

 

今日は、ここ最近インドメディアでずーっと報じられている

カルナータカ州のヒジャブ問題を少し。

www.bbc.com

 

ことの発端は昨年12月。

 

インド南西部のカルナータカ州ウドゥピという町の

高校にあたる学校に通うムスリムの女子学生6人が、

宗教上、男性の前で髪の毛を隠すために必要なヒジャブを

教室内では使用してはいけない、

と大学側に強制されたことに抗議しました。

 

カルナータカ州は、

現政権与党のBJPが多数派であり、

特にこのウドゥピという町は

右寄りの風潮の強い場所だと記事は説明しています。

 

この講義はうねりとなり、州内外に広がったほか、

隣国パキスタンでは、インドの臨時大使が外務省に呼ばれる事態にもなりました。

www.indiatoday.in

 

そして、上のBBCの記事にもあるように、

この州及び、インドの国ではマイノリティ側になる

ムスリムたちがヒジャブをつけて抗議すると、

それに対してヒンドゥー教徒の学生たちが、

サフラン色のスカーフを着用してそこに対抗していると。。。

 

政治と宗教が絡み合った事態は、

高等裁判所での審理が続き、

連日各メディアでライブブログ形式でその進捗が伝えられています。

 

こうした事態は、

日本のような宗教色の薄い?社会だとあまり起きづらく、

ちょっとピンと来ない面もあるかも知れません。

 

インドでは、

モディ政権は、

2期目に入ってさらに

ヒンドゥーナショナリズムの様相を加速させて来た感があります。

 

2019年の「ジャンムー・カシミールの直轄領化」や、

「インド市民権改正法(CAA)」

 =近隣3カ国からの不法移民に市民権に与えるが、

イスラム教徒は含まれない法律で、ムスリムからは差別的だと批判が出ている問題。

 

など、過激とも取れる施策を打っていました。

そうした中でコロナ禍が始まり、

一時は話題になりにくくなっていた、このヒンドゥー教 VSイスラム教の話題が、

改めて浮き彫りになって報じられた案件のひとつです。

 

こうしてメディアが報じることで

注目を集めるのは海外の人にとっては考えるきっかけになっていいと思う反面、

インドの人たちはこのニュースを見て、

どうとらえるのでしょうか。

 

それこそ、ヒンドゥーの人かムスリムか、それ以外の宗教の人なのか、

また、支持政党はどこなのかなどによって、多様な見方がありそうです。

 

来月にはモディ政権の今後を占うとされる

UP州の選挙投開票もありますし、

この政治と宗教の課題は、今後もずっとインドニュースの

一大トピックであり続けると思います。

今後も勉強しながら注目していきます。

 

では、カルミレンゲ!