インドにおける生理の貧困問題
日々インドと南アジアのニュースを見回っていますが、
今日はこんな記事が目にとまりました。
インド南部、ケララ州の村で
18歳以上の女性に対して「月経カップ」5000個を無償配布するそうです。
インドの農村部では、
古くから男尊女卑や知識不足などから、
生理が始まった年代の女性が生きづらい風潮が根強く残っています。
とあるデータでは、
インドの女の子のおよそ4人に1人が、生理が始まったことをきっかけに
学校を中退してしまうとも言われています。
私も農村部で話を聞いたことがあります。
生理中の女性は、出血が穢れとみなされ、
お寺にお参りに行くことも許されないなど、
いまだに不条理な扱いを受けることもあるとのこと。
また、経済的に厳しい環境で暮らしていると、
生理用品を購入するということが難しい現実もあります。
かつては生理用品のタンポンにも
GST(物品サービス税)12%が課されていたようで、
女性が生理用品を手に入れ難い要因にもなっていたと。
しかし、インドではならではの方法で
この生理の貧困を克服しようという動きがあります。
日本でも公開されたこの映画です
インド南部、コインバトールで生まれ育ったアルナーチャラム・ムルガナンダムさん。
結婚後、女性が使用するナプキンが材料費の40倍もの値段で売られていることを知り、
安価で買えるナプキンの製作に乗り出す、実話を元にしたストーリー。
今から20年ほど前に、こうした社会課題を解決するビジネスをスタートした
ムルガナンダムさん。
いまで言う「社会起業家」ですよね。
いわばインド社会のタブーだった「生理」の問題に取り組む過程は、
さまざまな軋轢を産んだことが想像できます。
従来品の3分の1の低コストで衛生的なパッドを製造できるパッド製作機を作り、
かつ、女性たち自らがその機械を使って
ナプキンを女性たちに届けるシステムまで作ってしまったとのこと。
2014年には「Time Magazine」が選ぶ
世界で最も影響力のある100人にも選ばれました。
ビジネスを起こす、何とかあるもので工夫するジュガールの精神とか、
いろんなインドの人の凄さを感じますよね。
インドにいると、
今も社会課題だらけだと感じますが、
NGOや民間の団体など、国の助けを待つことなく、
草の根の活動をする人たちに数多く出逢います。
この辺りのマインドセットは日本人にとって大いに参考になる、
と言うより、
今の日本の若者はこういう気質になっている人も多いのではないでしょうか?
自分もまだまだできることがある、
会社におんぶじゃなく、
自分で考えて人に貢献できるビジネスをしないとなぁ!と
考えさせられる、そんな結論にて。
では、カルミレンゲ!!
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