インドは多様性の国なのか
「ヘイトスピーチ」
=特定の人種や民族など少数者への差別をあおる表現や排外主義的な言動
私は関西人なのもあり、
在日コリアンの人々に対するものを想像してしまいますが、
ここインドでも「Hate speech」が新聞記事の見出しになっていました。
北部ウッタラカンド州ハリドワールで、
イスラム教徒の人たちに対してのヘイトスピーチが行われた件についての
裁判が行われるとのこと。
インドはご存知の通り、
ヒンドゥー教徒がおよそ8割、イスラム教徒が2割弱、キリスト教、シク教など
他宗教、そして他人種の国です。
いわゆるカーストやジャーティという概念もあり、
日本人の私からすれば、ものすごい多様な人たちがひとつの国に共存している
多様性の国だと感じます。
しかし、その多様な人たちが同じ場所に暮らしているからこそ、
ヘイトも起こり得るのです。
インド独立運動の父として知られるマハトマ・ガンジー。
非暴力、不服従の精神に加え、
宗教間の融和も訴えていました。
しかし、最期は狂信的なヒンドゥー教徒に暗殺され不慮の死を迎えました。
現在のインドを率いるモディ首相。
与党インド人民党BJPは、
支持母体がヒンドゥー至上主義を掲げる団体のRSS=民族奉仕団。
そして、2019年の2期目に入ってからは
明らかにそのヒンドゥー至上主義的な施策を打ち出しています。
2019年8月には、中国パキスタンと国境を接するカシミール地方の自治権を撤廃。
その後、中央政府の直下地にしてしまいました。
この州は、もともとパキスタンとの分離独立の際、
イスラム教徒が多数の地域でしたが、藩主がヒンドゥー教徒だったため
インドに組み込まれた歴史があります。
その後は70年あまり自治権を認めてきたことで、
イスラム教徒や隣接するパキスタンとの関係が維持されてきたのです。
モディ政権は、自治権を撤廃して直轄地にすることが
インドを一つにするための重要なステップだとしています。
しかし、そこに暮らす人々はテロの脅威に怯えることになり
パキスタンとの緊張関係も急激に高まってしまいました。
ムスリムの人たちがヒンドゥー教徒から暴行を受ける事件の報道も
目にしますし、常にヒンドゥー教とムスリムの対立という構図は
この国にあり続けると感じます。
翻って日本は。
島国で、同質性の高い国民性だからこそ、
マイノリティである在日外国人などに対する排外的な感情が
いまも渦巻いています。
自民党とBJP。
日本とインド。
なんか悪い意味で共通項があると感じる2つの国です。
では、カルミレンゲ。